『極上のどん底をゆく—』
幻の処女作が新たな一章を加えてついに復刻!
すべてはここからはじまった…
アンダーグラウンド・カルチャーの寵児AKIRA
の原点は、すべてこの作品に濃縮されている。
ドラッグ、アート、ホームレス、ネイティブ文化…
5年間のアメリカ大陸放浪の中で出会ったさまざまな人々。
世界は楽しいことや、嬉しいことや、
胸が痛くなるほど悲しいことや、
どうしようもないことであふれてる。
社会の深層への鋭く、陽気なまなざしが、
80年代アメリカの深部を描き出す。
全てがごった煮となった新時代のビート小説。
現代書林 ¥1,470-
(本文より抜粋)
たとえばこの平均台を歩いていけば、
安定した地位や名誉や成功が待っているよと誘われる。
もしもそこから落ちたらば、真っ暗闇の地獄だぞって脅される。
みんなあせって青い顔してバランスとって、
このせまーい一本道をだまって行進してくんだ。
オレだって、踏みはずしたときゃビビったよ。
ところがだ、
落ちてった先にはいったい何があったと思う?
地面だよ。
落ちろ! 落ちろ! 落ちろ!
そして目覚めろ!!